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インド映画関係の長年のお友だちのむんむんさんからご紹介いただいて読んだ本、
「インド待ち」、、、映画を作っている立場で映画監督である周防正行さんが
インドの映画界を取材したドキュメンタリー番組でのことを本にまとめたものだけど、
映画を作っている人の目線で取材されていてとても良い。
 
私はむんむんさんの旦那様の営まれる南インド料理店「なんどり」さんで昨日開催された
なんどり映画倶楽部でこのドキュメンタリー番組、
(1999年頃に放映)【映画監督・周防正行が見た! 踊る!大インド映画紀行】
を見せていただいた。

特に最後のまとめの部分で
(私は作り手でも配給関係者でもなんでもないが)
私自身が長年インド映画の一ファンとして引っかかっていた部分の答えがもらえたような内容だった。
もやもやしていたものがすっきりして、なんだかしらないが涙が溢れ出てきた。

周防監督が映画の作り手として
インド映画っていったい何が魅力がなんだろうととてもまっすぐな気持ちで取材してくれたから
周防監督が取材の中でまとめとしてあの答えを得たのだろう。
それは私もずっと欲していた答えだったのでなんだかとても感動した。
 
長年、主にボリウッド(ヒンディー語)のインド映画のファンだが
インド映画に惹かれる理由はなんなんだろうと
自分でもよくわからなかったが、そうかそこだったのだな、、、と。

この本の第6章 インドの魂の305頁の6行目から11行目そして306ページの10行目から307ページの4行目までのあたり、ここら辺を読んでみてほしい

「舞踊と音楽は人間の発明した最も原始的な快楽である」
「・・・・インド人の言うインドの魂というのは、歌や踊り、その表現形式のことではなくて、その奥にある人間の欲求、心の中にある共感できるもの、インド人であろうとアメリカ人であろうと日本人であろうと、イギリス人であろうと、共有できるもの、自分がその心を分かる、そういうものをインドの人はインドの魂と言っていて、それはまあ、人間の心ということとイコールだったんだと思います」 

インド映画を観る時は日本人にはインドの文化や宗教、習慣、民族など分かりにくい部分や
言語の壁は確かにある。
だからそれを知っていることは映画をよく理解するには役に立つ、また、
インド映画界の情報通であることもあの俳優はだれだれの息子や娘とか
こういうつながりとかそんなことを知っていることも役には立つし、
そういう知識や情報も必要でよく知っているに越したことはないが、
これらのことよりも何よりもインド映画を(そしてインド映画以外の映画も含めて)
観る時の究極の要はこの「人間の心」、あ~ここだなと。

気になったら古本でしかもう売ってないけど良かったら買って読んでみて。